「任意ロックアップ」と「制度ロックアップ」

コジ活

我々、資金が少ない弱小投資家が大きく資金を増やす方法の一つがIPOの初値売り。購入手数料がかからないことがほとんどであることから、タダの宝くじと言われることも。

初値が付いた後(IPOのセカンダリーでは)、しばらくはボラティリティ高く値動きすることが多いため、資金を一気に数倍~数十倍に増やせるチャンスがある。もちろん、ボラが大きいことで大きく減ることもある。

そんなIPO銘柄の売買を行うときに気になる要素の一つが「ロックアップ」
既存株主は初値高騰したときに売りたくなるはず。大量に売却さえることで需給バランスが整わず、正常な?株価形成を妨げることになる。これを防ぐためにロックアップが存在する。

しかしながら、ロックアップはシステムでガチガチに固められているものではないため、売却することは可能なようである。
そこで発生したのが、2020年8月3日東証マザーズに上場したモダリス(4883)の元株主によるモダリス株の制度ロックアップ違反である。

「第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関する報告書」の提出に関するお知らせ

ロックアップには「任意ロックアップ」と「制度ロックアップ」がある

上記一件で、ロックアップには任意と制度あることを知った。
上場時の目論見書に記載されているのは「任意」のほう。今回話題となった「制度ロックアップ」とは?

任意ロックアップとは

主幹事証券会社が任意に設定したロックアップ。
上場時の売り圧力軽減などの目的から、上場後一定期間(ロックアップ期間)での売却等を行わない旨を証券会社と引受人のあいだで合意するもの。※
ロックアップ期間は、90日や180日、長いものだと360日というものもある。さらにこの日数に発行価格の1.5倍以上という条件が付く場合もある。

※ただし、目論見書を読むと、「主幹事会社の事前の書面による同意なしに」とあることから、同意があればロックアップ期間中であっても売却等を行えると読むことができることを注意したい。

制度ロックアップとは

詳しくはこちらのサイトをご覧いただきたい。

引用元はこちら⇒Rusty 4.資本政策-1.上場雨の資本政策とロックアップ

取引所の規則により定められたロックアップのこと

上場準備会社が直接期首以降に行った第三者割当による株式または新株予約権の割当てを受けたものは、当該株式または新株予約権を一定期間、継続的に保有することが求められます。

割当てを受けた株式または新株予約権の継続保有に関しては、割当日以前に確約書の締結が必須とされており、上場準備会社が直前期首以降に行った全ての第三者割当先からの確約書が無い場合には、上場申請が受け付けられません。

制度ロックアップの目的は、上場を利用した短期利得行為の防止であり、割当先の属性に応じてロックアップ期間が定められております。

株式及び新株予約権の第三者割当の場合、割当てを受けた日から上場日以後6か月間を経過する日(当該日において割当株式に係る払込期日または払込期間の最終日以後1年間を経過していない場合には、割当株式に係る払込期日または払込期間の最終日以後1年間を経過する日)まで、ストックオプション※としての新株予約権の割当ての場合には、当該新株予約権を、原則として当該新株予約権の割当日から上場日の前日または当該新株予約権の行使を行う日のいずれか早い日まで、それぞれ所有することが求められております。

※ストックオプションとは、上場準備会社が①上場準備会社の役員または従業員、②上場準備会社の子会社の役員または従業員に報酬として割当てた新株予約権のことを指します。

Rusty

モダリス株の制度ロックアップ違反

冒頭に添付のリンクによると、今回の制度ロックアップ対象は2019年4月に割り当てられた600,000株とのこと。

目論見書を見ると、2019年4月10日に割当が行われたのがわかる。さらに、(注)9とある

しかし(注)9には、元株主氏の名前はない。代わりに(注)10に名前がある。
下の図に示していないが(注)6の割当先には富士フイルム株式会社等が記載され、(注)7~8は減資についての記載であることから、上の図の「2019年5月10日」の欄が正しいと思われる。

割当られた6,000株は(注)14にあるとおり、1:100に株式分割されている。
順番が前後してしまうが、(注)12にあるとおり、割り当てられたB種優先株式は1:1で普通株式に変わっている(下図参照)。

目論見書の中での制度ロックアップの記載

制度ロックアップについて、目論見書にも記載があるようです。
「4.ロックアップについて」の最後の段落。

↓↓上記画像はこの目論見書を参考にしました↓↓

まとめ

これまで目論見書を読むときに気にしていたロックアップは「任意」ロックアップであり、このほかに「制度」ロックアップというものがある。前者に関しては、期間等の条件が明記されていることからこれまでどおりの読み方で問題なさそう。後者は明記されているわけではない。

今後は、上場申請直前事業年度以降に行われた第三者割当等による株式割当の有無を確認する。

念のため記載しておくと、本記事は元株主の違反を中傷する意図はない。
上記のとおり、今後の目論見書の読み方をブラッシュアップさせるために、どの辺を注意して読むのかを確認したものである。

※「目論見書はこう読め!」「ここ間違っている!」などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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